「恋の罪」

テアトル新宿にて。

ネタバレしてます。


1999年、渋谷円山町の廃墟アパートで一体のバラバラ殺人遺体が発見された。
マネキンと合体された真っ二つに割れた性器をえぐられた女性遺体の身元は一体誰なのか。

捜索願いの出ている女性の中から浮かび上がる女性達

人気作家の妻、いずみ。
有名大学の助教授で夜は売春婦の美津子。

この事件を追う
敏腕女刑事の和子。

この3人が織りなす猟奇的で下品なまでにどん欲な性への欲求。
あの遺体は誰なのか。
誰が殺したのか。


園子温作品は私的にはものすごく割れる。
今回はどうも受け付けない方でした。


異常なまでに潔癖な旦那に尽くすも満たされないいずみが一気に目覚める性の快楽。
その性の目覚めをまるで学問のように説き、導く美津子の異常性に恐怖を感じるも、なんというかもはや妖怪である。

執拗なまでの性描写にうんざりするし、
共感とか理解は私にはありませんでした。

なかなか上手くならない神楽坂恵の台詞回しが気になる。
表情は素晴しいのになんか喋ると良くない。
惜しみなく脱ぐのも結構だが、このままでは園子温作品以外には出れないんではないかしら。
結婚までしたからそれはそれでいいのかもしらんけど。


体当たりの演技と絶賛されてる風の富樫真だが
あのガリガリの身体と妖怪人間みたいな化粧が怖すぎてエロさが全くない。
変わり者お化けキャラの売春婦だからいいにしても....。
なんとも変質的な性癖がいっぱいあるものですな。


なんというか、ふーんという感じです。


とにかく変わりものの集まりであり、その変わり者を変わり者と決めつけるにはあまりに危険な現代社会があって
「普通」の顔をしている人達が別の顔を持っていて
その2面性に心の、人生の闇が隠されている。
ので、しょうか。


「言葉なんて覚えるんじゃなかった」
この詩に重みを感じる事ができなかったなぁ。
色々説明してたけど。


水野美紀の裸もふーんという感じです。
最後のゴミ収集車を追いかけて随分遠くまで来てしまったというオチも
いきなり普通で肩すかしだったような。
途中にこのエピソードを挟んじゃってるから最後だってのにもう解ってしまってるってのがどうも残念。

円山町のアパートまで走って
ここがどこか「わからない」
って、なんじゃそりゃ。


どうも集中できないままでした。


本気で走ったんじゃなかろうかという感じはとても好きですが。


新作「ヒミズ」に期待。